全員が未経験でスタート! 不動産売買仲介事業を半年で軌道に
2018.01.27事例紹介土地を仕入れ、注文住宅を受注するスタイルで営業してこられた株式会社T社様。住み替え、リフォームを見据えて長くお付き合いできるお客様を作るため、不動産売買仲介事業への進出に挑戦しましたが、営業部隊はマネージャーも含め全員が未経験者。そんな営業部隊が半年で成果を上げた理由とは?
マイホームを手に入れたい人に最も近づけるのは不動産売買仲介業
株式会社T社では、これまで、同社が土地を仕入れ、その土地を、関連会社である株式会社N社が建築条件付きで販売、請負契約で一戸建てを建築するという事業を展開してきました。しかし、その商圏はもともと全物件の70%がマンションで、土地が多いとは言えないエリア。お客様の絶対数が少ないことが悩みでした。
不動産仲介業への進出は平高佑治社長(写真右)の悲願。「マイホームの第一歩として中古マンションを購入したあと一戸建てに住み替える、一戸建てを売却して駅近マンションに移るなど、さまざまな不動産取引の場面で『マイホームを手に入れたい人』に最も近づくことができる」との考えからです。
実は過去に2回、不動産仲介事業の立ち上げに挑戦したものの、いずれも早期に撤退。最大の原因は「するべきことはわかっていたが、営業担当者に実践させられなかったこと」と平高社長は振り返ります。
全員初心者の営業部隊で、一見意外な商圏設定が成功のカギに
3度目のチャレンジにあたっては、思い切って組織を再編。従来の設計部を廃止して流通営業部を立ち上げ、設計部に在籍していたスタッフ2名がそのまま異動、不動産仲介を担当することになりました。新人も1名採用したものの、全員が営業経験ゼロ。思い切った体制で臨んだ平高社長ですが、その平高社長が驚いたのは、グローバルネクストが設定した「平均価格3000万円~4000万円の4万世帯」という商圏でした。
というのも、株式会社T社の地元は、関西有数の高級住宅地を擁する市。「本当は1億円~2億円の高価格エリアを狙いたかった」との考えがあったのです。そうしなかったのは実は、未経験の営業担当者でも成果を上げるための秘策の一つ。実際にやってみると、「高価格地域と比べて物件の回転率が高く、営業担当者が無理なく場数を踏むことができる」「土地柄気さくなお客様が多いため、営業スキルが高くなくてもフレンドリーな関係を築ける」といったメリットがあったのです。
チラシ配布エリアもデータをもとに緻密に設定。結果として、チラシを手に来店、商談につながるお客様が急増しました。「お客様からの反応がないと、営業は心が折れてしまいがち。多くの案件をこなせたことは、彼らのやる気にもつながりました」と語るのは、取締役で流通営業課マネージャーの菊地弘樹さん(写真左)。自らも営業マネジメントは初めてという中で、大いに助けになったようです。
もちろん、管理の基準となるチラシの配布枚数、1カ月あたりの案内件数、フォロー電話数などの数値もグローバルネクストが設定。週1回のテレビ会議でこまめに進捗を確認するので、「前回のアドバイスを忘れないうちに知見を積み重ねていけた」と平高社長。案件リストをチャットでリアルタイムに共有し、問題があれば早めに対策できることも、成約数を増やすカギとなりました。
立ち上げ1カ月で初成約。半年で売り上げ目標をクリア
仲介事業を立ち上げたのは2017年の3月。平高社長は当初、「半年で1件成約するくらいのペース」を予想していたものの、実際は4月には初成約を挙げる好スタートを切ることができました。その後、2カ月に1件は大型案件が成約するペースが続き、9月には月の売り上げ目標を超えるまでになりました。
さらに9月には初の預かり物件も発生。「販売実績ができ、買い客を持っていることが知られ始めたことによる効果が出てきています」(平高社長)お客様にも信頼され、売買成約後のリノベーションや住み替えも含めた「長いお付き合い」につながる関係が生まれています。
「実績、営業のスキルアップなどを含め『足腰の強い組織』になってきているのを感じています。今後2~3年で流通営業課を10名規模の組織にしていきたい」と平高社長は積極的。「立ち上げ1年で安定した利益を出せる組織にする」という目標も、現実的なものとなりつつあります。その1周年を間近に控えた現在、早くも2店舗目の出店を計画して準備中。2年目は大きな飛躍の年となりそうです。
株式会社T社様
本社所在地:兵庫県
組織:営業部、建築部、流通部(不動産仲介)
社員数:26名
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